vol.25のおでん種 は「ちくわぶ」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「ちくわぶ」

ちくわぶは関東発祥といわれ、小麦粉と水、塩をこねて作る。星形のギザギザが付いたちくわのように穴があいた形をしている。煮込むほどにおでん汁の旨みが含まれるため、十分煮込んだ後の「くたっとした」状態を好まれる方も多い。
おでん種「ちくわぶ」に合う肴
<野沢菜とジャコのゴマ油炒め>
材料(2人分)
- 野沢菜・・・1束
- ジャコ(乾燥しているもの)・・・大匙2
- ゴマ油・・・大匙1/2
- 塩・胡椒・・・各適量

作り方
- 野沢菜を洗って水を切り、根を落として長さ2cmに切る。
- フライパンにゴマ油を入れて熱し、ジャコを加えて1分炒める。
- 野沢菜を加えて更に炒め、火が通ったら塩・胡椒を振って火を止める。
- ジャコはカリッとするくらい炒めるのが美味しい。
- 漬物の野沢菜を使う場合は、水分をよく絞って、水気がなくなるまで炒める。それから、塩加減に気をつけて下さい。
ペアリング
「ちくわぶ」
「野沢菜とジャコのゴマ油炒め」には
『生ビール』

【作家コメント】おでんは庶民の味方。野沢菜の炒め物も、気取らず美味しい肴です。『生ビール』で気軽に食べて下さい。

このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第8巻

恵は無意識に、カウンターに並べた大皿料理へ目を遣った。
今日は、カボチャサラダ、鯛のあら炊き、桜エビ入り卯の花、卵焼き、野沢菜とジャコのゴマ油炒め。どれもひと手間かけた品ばかりだ。
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所