vol.27のおでん種 は「じゃがいも」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「じゃがいも」

おでん汁がしみてほくほくとした食感が人気のおでん種。粉質で粉ふきいもやサラダに適する丸い形の「男爵種」より、粘質で煮物などに適する長い形の「メークイン種」の方が煮くずれが少なく、おでんにはおすすめ。お茶などの紙パックに入れて煮ると汁が濁りにくい。
おでん種「じゃがいも」に合う肴
<アサリとピーマンのカレーキンピラ>
材料(2人分)
- ピーマン・・・3個
- アサリの水煮缶・・・1缶
- 生姜・・・1片
- サラダ油・・・適量
【A】 - みりん・・・大匙2
- 醬油・・・大匙1
- カレー粉・・・大匙1/2

作り方
- ピーマンは細切り、生姜は皮を剥いて千切りにする。
- フライパンを熱してサラダ油を入れ、生姜を炒める。
- 生姜の香りが立ってきたら、ピーマンとアサリの水煮缶を缶汁ごと入れて炒め合わせる。
- 混ぜ合わせた【A】を加え、全体に味を絡めながら、汁気を飛ばすように炒め、器に盛る。
- ピーマンも夏が旬です。便利なアサリの水煮缶を使って、夏に相応しいスパイシーな炒め物にしてみました。
ペアリング
「じゃがいも」
「アサリとピーマンのカレーキンピラ」には
『黒龍 いっちょらい』吟醸・冷酒(黒龍酒造)

【作家コメント】『黒龍 いっちょらい』吟醸は研ぎ澄まされた涼味と幅広い旨味で、和から洋まで、幅広い料理と合う。

このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第7巻

「ピーマンとカレー味って合うのね。うちでも作ってみようかしら」
一花も興味深そうに皿の料理に目を落とした。
「アサリは水煮の缶詰を使ってるんです。汁ごとピーマンと炒めて、お醤油とみりんとカレー粉を混ぜたものを加えて、汁気が飛んだら出来上がりです」
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所