vol.32のおでん種 は「大根」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「大根」

おでんに向く部位は葉を上とすると、真ん中とやや下の方。下ごしらえは以下の手順で行うとおいしくできる。①断面の点々の輪のところまでを目安に皮を厚めにむく。②1cm位の深さまで十文字に隠し包丁を入れる。③下ゆでをする時は米のとぎ汁(または米)を入れる。
おでん種「大根」に合う肴
<ナスと卵のよだれ鶏風>
材料(2人分)
- ナス・・・4本
- 卵・・・2個
- ニンニク・・・1片
【A】 - 豆板醤・・・小匙1/2
- ゴマ油・・・大匙1
- 酢・・・小匙2
- 醤油・・・大匙1
- 砂糖・・・小匙1

作り方
- 茹で卵を作る(水から鍋に入れて沸騰後10分茹でる)。
- ニンニクを擂り下ろし、【A】と混ぜておく。
- ナスは皮を剥いて10分ほど水に晒し、4分〜5分蒸す。あるいは1本ずつラップに包んで電子レンジ(600W)で3分〜4分加熱する。あら熱が取れたら3cm幅に切る。
- ナスと、4つくらいにざっくり割った茹で卵を、【A】のタレで和える。
- 薄切りの豚肉を冷しゃぶにして加えれば、更にボリュームアップします。もちろん、茹でて冷やした鶏肉に【A】のタレをかければ、本格的な‟よだれ鶏” の完成です。
ペアリング
「大根」
「ナスと卵のよだれ鶏風」には
『千本桜熟成ハマコマチ』・レモンハイ(柳田酒造)

【作家コメント】『千本桜熟成ハマコマチ』は果物や花の強烈なフレーバー。炭酸で割ってレモンを浮かべて、すっきり爽やかに楽しみたい。

このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第5巻

ナスと卵のよだれ鶏風は、蒸したナスと茹で卵をよだれ鶏のタレで和える。タレさえ作っておけば、和える具材のバリエーションは無限にある。
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所