vol.35のおでん種 は「ふき」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「ふき」

北海道のおでん種。寒の戻りの頃がおすすめ。生のふきはゆでしっかりと皮をむく。市販の水煮タイプも便利。5cm位に切って串を刺すか、かんぴょうなどで結ぶとよい。ふきのほろ苦さは大人の味わい。過去に北海道内のコンビニエンスストアのおでんで扱っていた。
おでん種「ふき」に合う肴
<ホタテのピカタ>
材料(2人分)
- ホタテ(刺身用)・・・6個
- 塩・胡椒・小麦粉・サラダ油・・・各適量
- レモン・・・1/2個
【A】 - 溶き卵・・・1個分
- 粉チーズ・・・大匙1

作り方
- ホタテは塩・胡椒を振って下味をつけ、全体に薄く小麦粉をまぶす。
- レモンはくし形に切る。
- ボウルに【A】を入れ、泡立て器で混ぜて衣を作る。
- フライパンを熱してサラダ油を入れ、衣にくぐらせたホタテを並べて入れる。残った衣は上から掛け、弱火にして両面に火が通るまで香ばしく焼く。
- (4)を器に盛り、くし形に切ったレモンを添えて出来上がり。
- 私が子供の頃、近所の洋食屋さんの人気メニューにポークピカタがありました。
- 衣に刻みパセリを入れても美味しい。
ペアリング
「ふき」
「ホタテのピカタ」には
『貴』純米吟醸・冷酒(永山本家酒造場)

【作家コメント】『貴』純米吟醸は心地よくソフトな味わいで、どんな料理とも相性の良い抜群の食中酒。

このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第6巻

「恵さん、ホタテのピカタというのは?」
「ホタテにふんわりした衣を付けて焼いたお料理です。衣に卵と粉チーズとパセリを混ぜてあります」
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所