vol.37のおでん種 は「しいたけ」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「しいたけ」

北陸、九州に多い。北陸のおでんの澄んだだしを吸ったしいたけは絶品。九州はしいたけの産地との関係性から喫食率が高いと思われる。また白身魚と豆腐のおぼろ揚の身に、しいたけを丸ごとのせた「椎茸の笠」というおでん種がある。
おでん種「しいたけ」に合う肴
<胡桃ダレの冷や奴>
材料(2人分)
- 木綿豆腐・・・1丁
- 胡桃・・・20g
【A】 - 味噌・醤油・白擂りゴマ・水・・・各大匙2
- 酒・みりん・・・各大匙1

作り方
- 豆腐は六等分する。胡桃は刻む。
- 小鍋に刻んだ胡桃と【A】を入れ、よく混ぜ合わせてから弱火にかけ、木べらで混ぜながら胡桃ダレを作る。
- 豆腐を器に盛り、胡桃ダレをトッピングして出来上がり。
- 胡桃には腎臓の働きを高め、身体を温める効果があるそうです。
- 豆腐の代わりに焼き餅やトーストに載せてもイケますよ。
ペアリング
「しいたけ」
「胡桃ダレの冷や奴」には
『生ビール』

【作家コメント】夏なので『生ビール』に。日本ではあまりなじみがありませんが、ベルギー産ビールは非常に種類が豊富なので、一度「利きビール」をやってみたいです。

このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第6巻

胡桃ダレの冷や奴は、文字通り水気を切った木綿豆腐に胡桃で作ったタレをのせただけの料理だが、刻んだ胡桃と擂ったゴマを入れた甘味噌は、酒の肴にもよく合う味だ。
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所