vol.45のおでん種 は「かまぼこ」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「かまぼこ」

板にすり身を盛り付け蒸しあげた練りもの。きめ細かな外観と弾力のある食感が特徴。中四国、九州では斜め半分に切り入れることが多い。串を刺して供するおでん専門店もある。白色より紅色のものがよく用いられ、鍋の中でもよく目立ちフォルムも愛らしい。
おでん種「かまぼこ」に合う肴
<エスカベッシュ>
材料(2人分)
- 豚コマ・・・300g
- 赤パプリカ・黄パプリカ・玉ネギ・・・各1/4個
- ピーマン・・・1/2個
- 小麦粉・・・大匙2
- サラダ油・・・大匙2
- 白ワインビネガー・・・大匙4
- 水・・・100ml
- 塩・・・小匙1
- 砂糖・・・小匙5
- ローリエ・・・1枚
- 唐辛子・・・1本
- 粗びき胡椒・・・少々
- 塩・胡椒・・・各適量

作り方
- 豚コマはほぐしてペーパータオルで余分な水分を拭き取り、ひと口大に切って塩・胡椒し、小麦粉をまぶす。
- フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、(1)を焼く。なるべく触らずにしっかりと焼き付け、出た脂は取っておく。
- パプリカとピーマンは種と芯を取り、玉ネギは根を落とす。それぞれ横半分に切ってから、1.5cm幅に切る
- 小鍋に白ワインビネガーと水、塩、砂糖を入れて中火にかけ、沸騰したらローリエと唐辛子、粗びき胡椒を加え、最後にパプリカと玉ネギを入れてひと煮立ちさせ、火を止める。
- あら熱が取れたらピーマンと、豚コマを炒めたときに出た脂を小匙1加える。
- 皿に焼き上がった豚コマを盛り付け、上から(5)をかける。
- 本場のスペインや地中海地方では、魚介の揚げ物を使うことが多いようです。 野菜も季節に合わせて、お好みでどうぞ。
ペアリング
「かまぼこ」
「エスカベッシュ」には
『日髙見』純米吟醸・冷酒(平孝酒造)

【作家コメント】『日髙見』純米吟醸は透明感のある甘さを核とした端正な味わい。 カマボコや白身魚とは相思相愛。

このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第6巻

エスカベッシュは「南蛮漬け」としてお馴染みの地中海料理で、揚げ焼きした魚介、もしくは肉と野菜を甘酢で漬け込んだ料理だ。サッパリした味なのでフランスやスペインでは夏場によく食べるそうだが、もちろん冬野菜を使っても美味しい。
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所
