vol.26のおでん種 は「黒はんぺん」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「黒はんぺん」

静岡県焼津市や静岡市周辺の名産品。頭と内臓を取り除いたイワシやサバなどの赤身の魚のすり身を段差のある半月状に薄く成型し、ゆでて作る灰色の練りもの。ざっくりとして魚本来の旨みを感じる。静岡おでんに欠かせない一品で串刺しにすることが多い。
おでん種「黒はんぺん」に合う肴
<小松菜の山葵漬け>
材料(2人分)
- 小松菜・・・1袋(約200g)
- かまぼこ・・・30g
- 湯・・・200ml
【A】 - 昆布茶・・・大匙1
- 山葵・・・小匙1/4

作り方
- 小松菜は茹でてざく切りにする。
- かまぼこは細切りにする。
- 耐熱容器に湯を入れて【A】を溶かし、小松菜とかまぼこを入れて混ぜ合わせて漬ける。
- あら熱が取れたら冷蔵庫に入れ、1時間ほどねかせて味を染み込ませる。
- 山葵の風味と昆布茶の旨味で、お酒が進みます。
- かまぼこは、手軽に買える紀文の「姫かま(紅)」がお勧めです。
ペアリング
「黒はんぺん」
「小松菜の山葵漬け」には
『大信州』別囲い純米大吟醸・冷酒(大信州酒造)

【作家コメント】『大信州』別囲い純米大吟醸はみずみずしい桃のような香り、優しい飲み口。これ一本で乾杯からデザートまで通せる万能型。

このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第10巻

小松菜の山葵漬けは、茹でた小松菜とカマボコの細切りを、昆布茶と山葵を溶いた湯に浸けるだけ。一時間ほどで味が染みて食べ頃になる。山葵の風味と昆布茶の旨味がアクセントだ。
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所