vol.31のおでん種 は「さつま揚」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「さつま揚」

魚のすり身を揚げたものの総称。主に東北、関東では「さつま揚」、関西、中四国、九州の一部では「てんぷら」、鹿児島を中心とした九州の一部では「つけあげ」と、各地で呼び名が違う。形も様ざまで、具入りのもの、揚げ色を付けないものなどがあり個性豊か。
おでん種「さつま揚」に合う肴
<ゴーヤとツナのサラダ>
材料(2~3人分)
- ゴーヤ・・・1本
- ノンオイルツナ缶・・・1個
- 玉ネギ・・・小1個
- 塩・・・少々
- マヨネーズ・・・適量

作り方
- ゴーヤは縦に切って種を取り、厚さ2~3mmくらいに切る。
- 玉ネギは薄くスライスして水に晒し、水気を搾る。
- 鍋に湯を沸かして塩を入れ、沸騰したらゴーヤを1分ほど茹でる。ゴーヤはサッと水洗いして水気を切り、玉ネギスライス、ツナ缶と一緒にマヨネーズで和える。
- カレー粉を少し混ぜても美味しいです。
- オイルツナ缶を使うときは、ポン酢和えもお勧めです。
ペアリング
「さつま揚」
「ゴーヤとツナのサラダ」には
『生ビール』

【作家コメント】『生ビール』は夏の醍醐味。さつま揚にゴーヤとツナのサラダと気取らない肴で。

このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第3巻

最近のゴーヤは苦みが薄くなったと思う。東京でも売られるようになった当初は「苦瓜」と呼ばれるだけに、もっと苦みが強烈だった印象がある。
「そう言えばピーマンも苦くなくなったよね。トマトは甘くなったし……」
また独り言を言ってしまったので、恵は苦笑した。
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所