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婚活食堂の「白滝」に合う肴とお酒
vol.18のおでん種 は「白滝」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「白滝」
元来、「白滝」は材料を筒の穴から押し出したもの、「糸こんにゃく」は板こんにゃくを細く切ったもの。現在は同じ製法で作られることが多く、東日本では白滝、西日本では糸こんにゃくと称されることが多い。結ぶとおでん鍋から取り出しやすく食べやすい。
おでん種 「白滝」に合う肴
<あん肝の赤ワイン煮>
材料(4人分)
- あん肝・・・500g
- 赤ワイン・・・120ml
- 醬油・ハチミツ・・・各大匙2
- 日本酒・塩・・・適量
作り方
- あん肝から筋や血管を取り、塩を振って15分おき、ドリップを出す。
- 日本酒を混ぜた水で洗い、水分を拭き取ってから日本酒 (水で少し薄めても良い)に15分浸ける。
- ラップ(またはアルミホイル)であん肝を巻き、蒸し器に入れる。最初は強火で、湯気が大量に上がってきたら弱火にして15分蒸す。
- あら熱が取れたら冷蔵庫で冷やし、身が崩れないようにしめる。
- 鍋に赤ワインと醬油、ハチミツを入れ、1cm強の厚さ(薄すぎると煮崩れる)に切ったあん肝を入れて煮る。煮汁が沸騰したら弱火にして1分ほどで完成。
ペアリング
「白滝」
「あん肝の赤ワイン煮」には
『玉櫻』純米生酛・ぬる燗(玉櫻酒造)
【作家コメント】『玉櫻』純米生酛はフルボディで滋味深い味わいの酒。あん肝の力強さに負けない存在感。冬なので少し熱めの燗で。
このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第2巻
手ずから酒蒸ししたあん肝を赤ワインソースで軽く煮た料理が、不味いわけがない。ポン酢で食べるイメージが強いが、洋風に調理すると‟フォアグラ”に近くなる。
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂:こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所