婚活食堂の「白子」に合う肴とお酒
vol.19のおでん種 は「白子」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「白子」
魚類の精巣。白子の中でもタラ、アンコウ、フグなどが珍重される。おでんに使用するのはタラの白子がほとんどで北海道ではタチと呼ばれる。下ゆでした白子やわかめをさっとおでん汁にくぐらせ、みつばを添えれば、燗酒が進む粋な肴になること間違いなし。
おでん種 「白子」に合う肴
<白子とゆり根のシガール>
材料(2人分)
- 白子・・・150g
- ゆり根(鱗片で)・・・12枚
- 春巻きの皮・・・3枚
- 塩・・・小匙1
- 酢・・・小匙1
- 揚げ油・・・適量
- 山椒塩・・・適量
作り方
- 鍋に湯を沸かし、塩と酢を入れて沸騰させる。
- 適当な大きさに切った白子を入れて30秒ほど茹で、ザルにあけて冷ます。冷めたら10等分する。
- ゆり根の鱗片12枚を半分の大きさに切る。
- 春巻きの皮を対角線で三角に切り、1枚を4等分する。
- 白子とゆり根を12分の1ずつ春巻きの皮に載せて巻く。
- 170度の揚げ油で表面が色付くまで揚げる。
- つけて食べる塩は、山椒塩がお勧め。
ペアリング
「白子」
「白子とゆり根のシガール」には
『伯楽星』特別純米・冷酒(新澤醸造店)
【作家コメント】『伯楽星』特別純米は活性炭濾過をしない、生まれながらの美酒。白子との相性は抜群。
このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第4巻
「恵さん、白子とゆり根のシガールって、何?」
「白子とゆり根を春巻きの皮で巻いて、揚げたものです。皮は四等分に切って細巻にしてあるので、食べやすいですよ。山椒塩で召し上がっていただきます」
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所