今月は、早春の息吹が感じられる「華おでん」です。春野菜は、鮮度が命です。独特のほろ苦さも、春の薫りの一つ。みずみずしい春野菜を、練り製品と一緒にたっぷりといただきましょう。春野菜は軽く下ゆでをすることで、えぐみなどの雑味を取り除くことができます。おでんは、最小限の調味料を使うことで、素材がもつ美味しさを引き出す事ができる料理です。「こうしなければならない」という決まりごとのない料理だからこそ、季節の素材を自由に組み合わせましょう。
しゃきしゃきとした独特の歯ごたえと香りが特長のうどは、茎が白く太いもので、さらにまっすぐに伸びているものを選びましょう。酢水につけてさらすことで、アクが抜け、より白く仕あげることができます。
ほろ苦さと独特の香りが特長のふきは、古くなると山菜特有の苦みやえぐみが強くなるため、なるべく早く食べきりましょう。
はんぺん(大判) | 1パック |
焼ちくわ | 1パック |
ちくわぶ1本 | 1パック |
さつま揚6枚 | 1パック |
揚ボール | 8個 |
魚河岸あげ® | 1パック |
桜麩 | 1本 |
うど | 8cm×2本 |
ふき | 1本 |
ほうれん草(葉) | 1束 |
塩 | 小さじ2 |
(A) | |
水 | 1500ml |
薄口しょうゆ | 60ml |
酒 | 30ml |
昆布 | 10×10cm |
木の芽 | 適量 |
※板ずり:食材の下処理で、まな板のうえで、塩をふって手のひらで押さえながらこすりつけるように転がすこと。色鮮やかになり、表面のでこぼこを均一にならして味のなじみがよくなる。
ふきの場合は、アクが抜け、皮もむきやすくなる。
※霜降り:食材の下処理で、サッと熱湯に通すこと。表面のぬめりやくさみを取り除き、その後の加熱によりうまみが抜けるのを抑える目的で行う。
「春には、苦みのある野菜を食べよ」と言われているように、春になると、苦みのある春野菜やアクの強い山菜が芽吹くようになります。苦みの成分には、冬の寒さによって動きが鈍くなった身体を目覚めさせる効果があるとされています。早春の息吹特有の香りや歯ざわりを楽しむためにも、春野菜は必ず軽く下ゆでを。えぐみなどの雑味を取り除くことで、鮮やかな色合いと歯ざわりを、より一層楽しめます。
冷蔵庫の中に何日か入れたままにした青菜は、葉がしなびたり、色合いが変わる事があります。新鮮な野菜は、できるだけ新鮮なうちに。手早く調理をするように、心がけましょう。また青菜の場合、鍋で茹でる前に一度青菜そのものを冷水につけておくようにしましょう。葉が水を吸って新鮮な状態に戻ります。
素材は、鮮度が命。野菜に含まれるアクも滋味の一つですが、水分量が多く鮮度がよい野菜ほどアクも少ないので、短時間でサッと調理をする事ができます。
素材のもつ色合いを楽しめるように、野崎流おでんのレシピでは、薄口しょうゆを使っています。薄口しょうゆと濃口しょうゆの違いは、旨味と香りだけではなく、塩分濃度も異なります。濃口しょうゆの塩分は14.5%、一方薄口しょうゆの塩分は16.0%です※。濃口しょうゆを使うときは、仕上がりの色だけで味を決める事がないように注意しましょう。
おでんを含めて、家庭料理の場合には高価な調味料は不要です。むしろ新鮮な素材があれば、少ない調味料で素材本来のおいしさを楽しむ事ができます。