
今月ご紹介する「水無月冷やおでん」は、初夏の食卓にぴったりの、冷やしておいしいおでんです。煮込まずに短時間で仕あげるのが特長で、素材が持つ本来の味わいを楽しめます。
おでんは「引き算」の料理。しょうゆと水というシンプルな調味料だからこそ、素材本来の美味しさが味わえます。
練り物から出る魚の旨味と旬の素材を組み合わせ、おでんの豊かな風味を現代ならではの新しいスタイルでお楽しみください。

今月の旬の素材トマト
トマトのさっぱりとした酸味は食欲をそそるので、暑い夏のおでんにぴったりの具材です。
十字の切り込みを入れてから、沸騰した湯に入れ、冷水にとると、湯むきがしやすくなります。
湯むきしたトマトは火を止めてから鍋に加えましょう。余熱を利用してゆっくり熱を入れることで、形が崩れず、彩りもきれいに仕あがります。

材料(4人分)
魚河岸あげ® | 1パック |
チーちく® 5個入り | 1パック |
トマト(小さめのもの) | 4個 |
かぼちゃ | 1/8個 |
ズッキーニ | 1本 |
結びしらたき | 8個 |
(A) | |
水 | 1000ml |
薄口しょうゆ | 50ml |
酒 | 20ml |
昆布 | 10×10cm |
作り方
- 1:トマトは十字の切り込みを入れてから、沸騰した湯の中に入れ、冷水にとり、皮をむく。
- 2:かぼちゃは種を取り、2cm厚さのくし形に切り、表面の皮を薄くむく。ズッキーニは縦4つに切ってから4cm長さに切り、わたを取り除き、表面の皮を薄くむく。
- 3:魚河岸あげ®、ズッキーニ、結びしらたきをそれぞれ霜降り※する。かぼちゃは下ゆでする。
- 4:鍋にAと3を入れて中火にかける。沸騰したら火を止め、1とチーちく®を入れ、粗熱をとってから冷蔵庫で冷やす。

かぼちゃの霜降り(作り方2参照)。かぼちゃはすぐに火が通ります。霜降り時間を短くして煮崩れを防ぎましょう。

ズッキーニの霜降り(作り方2参照)。ズッキーニは皮が鮮やかな緑色になる程度で十分です。
※霜降り:魚介類や肉などの下処理方法。表面が白くなる程度に熱湯に通したり、かけることにより、素材のくさみやぬめりを取り除くことができます。
野﨑流和料理のこころ
〜おでんは「引き算」の料理。主役は、素材のうま味です。〜
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壱、今月のおでんの主役は夏野菜。豊かな風味が魅力
旬の食材は、味や香り、歯ごたえ、色合いなど、風味が豊かです。旬の食材と練りものを組み合わせることによって生まれる季節のおでんは、素材が持つ本来の味わいが魅力です。
新鮮な夏野菜が持つ風味や食感はおでんのおいしさを引き立て、味に深みを出します。今回のレシピで使った夏野菜だけでなく、お好みのものを組み合わせて、自分流の味を楽しむのもよいでしょう。 -
弐、“冷やおでん”は現代ならではの新しいスタイルのおでん
冷やおでんは作り置いて冷蔵庫に入れておけば食事をしたい時にサッと用意ができるので、忙しいときにも適した家庭料理です。また、短時間で素早く作ることができ、素材が持つ本来の味わいを楽しめます。
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参、旨味たっぷりのおでんの汁で、締めの一品も楽しんで
おでんの汁には練りものや野菜などの旨味がたっぷりと詰まっていますから、具材を味わった後は、締めの一品を作るのもよいでしょう。冷たいおでんなら、冷水で洗ったうどんやそうめんをそのまま汁に入れてもよいですし、汁を温めれば、雑炊やにゅうめんとしても楽しめます。
素材の味を生かしてシンプルに調味した野﨑流のおでんでは、汁まで十分に味わうことができます。ぜひお試しください。