〜和食料理人 野﨑洋光から学ぶ〜 紀文のおでん暦

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10月のおでん「もみじおでん」

10月のおでん「もみじおでん」

豊穣の秋は、祭りなど楽しいイベントも盛んな季節。今月は、そんな団欒のひとときを盛り上げる「もみじおでん」をご紹介します。おでんは、江戸時代に練りみそをつけて串でいただく田楽みそが始まりでした。卵やみりんなどを加えた練りみそは、季節によって入れる具材やみそを変えるだけで、その味わいは無限に広がります。みそごとにその家庭独自の味わいになる「手前みそ」を、お楽しみください。

調理時間:20分 エネルギー/1人分:274kcal 塩分/1人分:3.0g

今月の旬の素材里いも

古くから、「子孫繁栄」の意味を持つ縁起のよい食材として親しまれてきました。おでんの具材としてもおなじみですが、煮る前にさっと下ゆですると、ぬめりがとれてすっきりとした味わいに仕あがります。

里いも

材料(4人分)

【おでん】
揚ボール1パック
ちくわぶ1本
大根1/5本(150g)
こんにゃく1枚
焼豆腐1丁
焼ちくわ1本
もみじ麩1本
にんじん1/3本
里いも4個
【調味液】
 水1000cc
 昆布10×10cm
 薄口しょうゆ小さじ2
【田楽味噌】
 信州みそ200g
 砂糖大さじ6
 みりん大さじ2
 酒大さじ1
 卵黄1個分
竹串適宜

作り方

  • 1:ちくわぶ、大根、焼豆腐は6cm長さの拍子木切りにする。こんにゃくは両面に軽く格子状の切り込みを入れてから、6cm長さの拍子木切りにする。
    里いもは皮をむき、6cm長さの拍子木切りにする。
  • 2:焼ちくわと紅葉麩は2cmの厚さに切る。にんじんはいちょうの型で抜く。里いも、大根、こんにゃく、にんじんはそれぞれ水から下ゆでし、ひと煮立ちしたあと、水を切り、にんじん以外を串に刺す。
  • 3:鍋に湯をわかし、揚ボール、焼ちくわ、焼豆腐、紅葉麩、ちくわぶをそれぞれ入れ、30秒ほどしたらざるに取り出す。(この調理法を霜降りと言う。) その後、材料すべてを串に刺す。
  • 4:練りみその材料を鍋に入れ、弱火でよく練り、冷ます。
  • 5:土鍋に水、昆布、薄口しょうゆを入れて火にかけ、下処理を終えた材料を全て入れる。火が通ったら、練りみそ(田楽みそ)をつけていただく。
練りみそに卵黄を加えた後

練りみそに卵黄を加えた後(作り方4参照)。練りみそは焦がさないように弱火で。卵黄に火が入るように、手早く混ぜましょう。

※霜降り:魚介類や肉などの下処理方法。表面が白くなる程度に熱湯に通したり、かけることにより、素材のくさみやぬめりを取り除くことができます。

野﨑洋光さん野﨑流和料理のこころ

〜おでんだけではもったいない、練りみその活用術〜
  • 壱、みそを変えるだけで、味わいも広がります

    今回レシピで紹介しているのは練りみそは、信州みそを使っていますが、みそを変えるだけで自由にアレンジもできます。それぞれの家庭ならではの味わいが、無限に広がるのが練りみそです。まずはご家庭にあるみそを使い気軽に作ってみましょう。

  • 弐、田楽からディップまで。練りみそ一つで、さまざまな料理に変身!

    火を通してある練りみそは、作りおきができ、アイデアしだいで料理の幅が無限に広がり万能な調味料です。みそ田楽のほかにも、野菜と炒める時に作れば回鍋肉風に。ピーナッツを入れれば、ピーナッツみそに。マヨネーズとあわせディップとして野菜につけても美味しいですよ。

  • 参、切り方一つで、見た目も美しく、味わいも深まる

    食材をただ切るのではなく、ほかの食材とのバランスを考えながら、素材にあった切り方を工夫することが大切です。また、こんにゃくの表面を斜めに格子状に切ったことにより、見た目も美しい上に、味もしっかりしみ込むように工夫しています。これらを串に挿すことで、みそをつけやすくしているのが特長です。