 
			今月は、深まる秋の香りを楽しむ「きのこ」を使ったおでんです。食物繊維が多く含まれているきのこは、素朴ながらも旨味が充分に含まれる素材。ふっくらとしたはんぺんとあわせることで、きのこの食感を愉しむことができます。古くは「身土不二」、最近では「地産地消」という言葉もあるように、昔から地域で採れた食材を食べると、身体に良いとされています。地元の新鮮な素材をたっぷり使い、地域ごとの味わいをおでんにも取り入れてみましょう。
 
			今月の旬の素材きのこ
旨味成分がたっぷりのきのこは、よいだしが出るので、おでんに適した食材です。歯ごたえや風味を生かすため、火を通しすぎないよう手早く調理しましょう。
				
えのきだけやしめじは、石づきにハリがあり、みずみずしいものを選ぶようにしましょう。
 
			材料(4人分)
| さつま揚 | 1パック | 
| はんぺん(大判) | 1パック | 
| マリーン®(カニカマ) | 12本 | 
| しいたけ | 4個 | 
| しめじ | 1パック | 
| えのきだけ | 1パック | 
| なめこ | 1パック | 
| みつば | 1/2束 | 
| ゆず(皮を千切り) | 適宜 | 
| (A) | |
| 水 | 1000ml | 
| 薄口しょうゆ | 40ml | 
| 酒 | 20ml | 
| 昆布 | 10×10cm | 
作り方
- 1:しいたけは軸を取り除く。しめじは石づきを取り、房ごとに小分けにする。えのきだけは石づきを取りほぐす。
- 2:はんぺんは、カニカマの大きさに切る。
- 3:みつばはさっとゆで、食べやすい大きさに切る。
- 4:鍋にお湯を沸かし、きのこ類、さつま揚を入れて30秒したらざるに取り、汁けをきる。(この行程を霜降※りという)
- 5:鍋にAときのこ類、さつま揚を入れ、火にかける。沸騰したら、はんぺん、カニカマ、みつばとゆずの皮を入れる。
- 6:<霜降り>魚介類や肉などの下処理方法。表面が白くなる程度に熱湯を通したり、かけることにより、素材のくさみやぬめりを取り除くことができます。
 
					しいたけの軸を切る(作り方1参照)。しいたけの汚れが気になる時は洗わずにペーパータオルでそっとふきましょう。
※霜降り:魚介類や肉などの下処理方法。表面が白くなる程度に熱湯に通したり、かけることにより、素材のくさみやぬめりを取り除くことができます。
 野﨑流和料理のこころ
野﨑流和料理のこころ
				〜「身土不二」という考え方日本の食文化を再考する〜
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					壱、きのこも「霜降り」をすれば、すっきりとした味わいにうま味成分のあるきのこは、良いだしが出る食材の一つです。栽培されたきのこが多く流通している現代は、一年中きのこを食べることができますが、この季節には、ぜひ天然のきのこも取り入れてみましょう。天然のきのこの場合、長時間煮ても旨味が残り、味は変わらないのですが、栽培されたきのこには、きのこ特有の雑味があります。表面の汚れなどを取るためにも、きのこを調理前に熱湯にくぐらせる「霜降り」をすることで、独特の臭みやアクが抜け、すっきりとした仕あがりになります。 
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					弐、煮すぎないおでん。温め直しは電子レンジで作りたてのおでんを食べることができるのは、家庭ならでは。ぜひ美味しい状態のうちに食べてください。おでんを温め直す場合は、煮返す必要のない電子レンジを使いましょう。煮返す度に崩れたり汁の味ばかりになる心配もなく、素材そのものの味を楽しむことができます。 
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					参、地産地消。地元の食材をいかして、おでんの具材も無限に広がる「地産地消」という言葉が示すとおり、それぞれの家庭が地元でとれた新鮮な食材を使えば、美味しい料理が生まれます。おでんも同様で、素材の旨味を引き出し、素材の味を際立たせれば、素朴ながらも滋味深いおでんができます。旬の食材、そして地元にある身近な食材を使い、ご家庭ならではのおでんを楽しんでください。 



 
				 
			












