婚活食堂の「春菊」に合う肴とお酒
vol.5のおでん種 は「春菊」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「春菊」
別名は菊菜。島根県松江市のおでん専門店で供される。西日本のうち関西では、中葉種で分枝がなく根もとから収穫するおでんにも適する種類が栽培されている。大阪市には春菊を澄んだおでん汁にくぐらせ、削った柚子の皮を散らして供するおでん専門店もある。
おでん種 「春菊」に合う肴
<明石焼き>
材料(30個分)
- たこ焼き粉・・・50g
- 卵・・・3個
- 出汁(または水)・・・300cc
- 茹でタコ・サラダ油・水・だしの素・日本酒・醬油・小ネギ・・・適量
作り方
- 茹でタコ(生は硬くなるので避ける)は、たこ焼きに入れやすい大きさに切る。
- たこ焼き粉と卵、出汁(だしの素を薄めに溶いた汁でOK)を混ぜ合わせ、タコを加えてタネを作る。
- たこ焼き器を加熱してサラダ油を敷き、タネを入れて焼く。たこ焼きに比べてタネが柔らかいので、ひっくり返すときに注意が必要。
- つけ汁を作る。水・だしの素・日本酒を鍋に入れて煮立て、アルコールを飛ばし、醤油(白醤油もOK)で味を調える。お好みで小ネギを小口切りにしてつけ汁に散らす。
- 本来は、小麦粉に「じん粉」(小麦でんぶん)を混ぜたものを使います。じん粉を加えるとよりふんわりと仕上がります。
ペアリング
「春菊」
「明石焼き」には
特別純米『喜久醉』・冷酒(青島酒造)
【作家コメント】特別純米『喜久醉』は、角のないまろやかな甘さを中心にした、軽快な味わい。野菜や豆腐、蕎麦など、あっさりした料理を生かします。
このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第5巻
杏奈も豊も、説明を聞いただけで食欲を刺激されたらしい。
「私、カルパッチョとイチジクの揚げ出し。シメは明石焼きね」
「僕も!」
二人はレモンハイと生ビールで乾杯した。
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年5月現在、PHP文芸文庫から11巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所