vol.2のおでん種は「つみれ」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。


今週のおでん種「つみれ」


つみれ

「つみいれ」ともいう。材料をつまんで汁に入れることからその名が付いた。魚のつみれはイワシやサバなどの赤身の魚を原料とし、濃厚な魚の旨みがあり、おでんはもちろん汁ものや鍋ものに最適。家庭で作る時は豆腐を入れるとふわふわに仕上がる。


おでん種 「つみれ」に合う肴
<ウドとコンニャクのキンピラ>


材料(2~3人分)

  • ウド・・・1本 
  • あく抜きコンニャク・・・1袋(約120g)
  • 酢・・・少々
  • ゴマ油・・・大匙2
  • 酒・・・100cc
  • 砂糖・・・小匙2
  • 醬油・・・大匙3
  • 糸唐辛子・・・少々

ウドとコンニャクのキンピラ

作り方  

  1. ウドを長さ5cmくらいに切り、皮を剥いて縦に4から6等分に細長く切ったら、酢を入れた水に晒す。
  2. コンニャクを長さ5cmでウドと同じくらいの太さに切り、水洗いしてザルにあけ、水気を切る。
  3. フライパンにゴマ油を入れて熱し、コンニャクを入れて炒め、酒、砂糖、醬油を加えて更に炒める。
  4. 水分が蒸発して半分くらいになったらウドを入れ、水分がほとんどなくなるまで炒め煮にする。
  5. 味見をして塩気が足りなければ醤油を足して味を調え、火を弱くして糸唐辛子を加え、混ぜ合わせて火を止める。
  • ウドの葉は天ぷらにすると美味しいです。
  • 糸唐辛子がなければ普通の赤唐辛子で0Kです。お好みで七味でも。
  • コンニャクのあく抜きは、塩で揉んでからさっと茹でて水に晒します。店によってはキンピラ用のコンニャクも売っていて、切らずに調理できます。

ペアリング


「つみれ」
「ウドとコンニャクのキンピラ」には
特別純米『豊盃』・冷酒(三浦酒造)


おでん種:つみれ・はまぐり・ふき


【作家コメント】特別純米『豊盃』は、幅広い料理と合う食中酒。このぺアリングには冷酒がお勧め。


『婚活食堂』作家 山口恵以子


このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第6巻


『婚活食堂』6巻

『婚活食堂』6巻


甘くて柔らかい新玉ネギは、生のままでも果実のように美味しい。
今日は鰹節をトッピングして、醬油かポン酢、お好きな方を選んでいただく。
ウドはシャキシャキした食感を活かしてキンピラにした。


婚活食堂と山口恵以子さんについて


『婚活食堂』

女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年4月現在、PHP文芸文庫から10巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。

PHP研究所『婚活食堂』サイトはこちら

※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。


山口恵以子(やまぐち・えいこ)

脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。


「婚活食堂の「つみれ」に合う肴とお酒」の続きを読む


vol.1のおでん種 は「焼ちくわ」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。


今週のおでん種「焼ちくわ」


焼ちくわ

ぼたんちくわの別名を持つおでんや煮物に最適な練りもの。ぷっくりとした牡丹状のふくらみが特徴。最初は弱火で表面に焼き色のない薄い皮を作り、次に火力を上げふくらみを付け仕あげ焼きをする。煮ると煮汁を吸いふっくらとやわらかく、食べごたえがある。


おでん種 「焼ちくわ」に合う肴
<トマトのファルシー>


材料(2人分)

  • トマト・・・中2個
  • 卵・・・1個
  • アボガド・・・1/2個
  • 玉ネギ・・・1/2個
  • マヨネーズ・・・大匙2(適量)
  • 塩・胡椒・・・少々

トマトのファルシー

作り方

  1. トマトの上5分の1ほどをヘタごと切り落とす。
  2. トマトの中身(種の部分)をくり抜く。卵は固茹でにして、粗みじんに切る。
  3. アボカドも種を外し、実を粗みじんに切る。
  4. 玉ネギはみじん切りにして、水に晒して搾る。
  5. 茹で卵・アボカド・玉ネギをマヨネーズで和え、塩・胡椒で味を調えたら、トマトに詰める。
  6. ヘタ部分を蓋のようにして、トマトに立てかけるとおしゃれ。
  • ファルシーの具材は他にも数々あって、焼いて食べるレシピもあります。簡単で見栄えのする料理なので、色々お試し下さい。


ペアリング


「焼ちくわ」
「トマトのファルシー」には
スパークリングワイン・『スタート』


おでん種:焼ちくわ・牛タン・板こんにゃく


【作家コメント】『スタート』は、フルーティな酸味が心地よいスパークリングワインです。レモンサワー感覚で呑め、トマトにもぴったり。


『婚活食堂』作家 山口恵以子


このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第3巻


『婚活食堂』3巻

『婚活食堂』3巻


貼紙の隣には、本日のお勧め料理を書いた黒板が掛けてある。新見は端からゆっくり読んでいった。
「トマトのファルシーというのは?」
「トマトの中身をくり抜いて詰め物をした料理なんですけど……」
恵の説明に、新見は興味をそそられたようだ。


婚活食堂と山口恵以子さんについて


『婚活食堂』

女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年4月現在、PHP文芸文庫から10巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。

PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら

※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。


山口恵以子(やまぐち・えいこ)

脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。


料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所


「食堂のおばちゃん」の愛称で知られる作家の山口恵以子さん。社員食堂で働いていた経験を生かした小説『食堂のおばちゃん』や『婚活食堂』など、飲食店を舞台にしたハートフルなストーリーが人気です。そんな山口さんは「おでん」が大好き。『婚活食堂』の舞台もおでん屋さんです。文中には《グラスに樽酒を移して、早速一口呑んだ。「ええと、おでん。大根と白滝、つみれ、牛スジ。それと葱鮪」……(『婚活食堂1』より)》など、おいしそうなおでんが登場します。