婚活食堂の「コロ」に合う肴とお酒
vol.7のおでん種 は「コロ」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。
今週のおでん種「コロ」
くじらの背側の黒皮とその下の脂肪層を「本皮」という。本皮を加熱して脂肪分を落とした後に乾燥させたものを「干コロ」という。そのほとんどが脂肪分とゼラチン質で、くじら特有のコクがあり関西のおでんに欠かせない存在であったが価格が上がり贅沢な品となった。
おでん種 「コロ」に合う肴
<夏野菜のバーニャカウダ>
材料(2~3人分)
- ニンニク・・・3片
- アンチョビ・・・6枚
- オリーブオイル・・・100cc
- 牛乳・・・100cc
- 生クリーム・・・50cc
- 塩・胡椒・・・少々
- 夏野菜・・・適宜
作り方
- 鍋にニンニクと牛乳を入れて火に掛け、沸騰したら中火で15~20分ほど煮る。
- あら熱が取れたら、鍋の中身とアンチョビをブレンダー(ミキサー)に掛ける【A】。
- 鍋に【A】とオリーブオイルを入れて火に掛け、混ぜ合わせながら沸騰しないように弱火で煮て、生クリームを加えて塩・胡椒で味を調え、火を止める。
- バーニャカウダソースが温かいうちに、野菜に付けて召し上がれ。
- 野菜は生で食べられるものなら何でも合います。
ペアリング
「コロ」
「夏野菜のバーニャカウダ」には
『市来焼酎ぷう』・ソーダ割(田崎酒造)
【作家コメント】『市来焼酎ぷう』はバラのような華やかな香りとハーブの爽やかさを持った焼酎。夏はソーダ割でさっぱりと。
このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第3巻
ニンニク、牛乳、アンチョビをミキサーに掛け、オリーブオイル、生クリームを丁寧に混ぜ合わせ、最後に塩・胡椒で味を調える。このソースを付ければ、たいていの野菜が美味しく食べられる。
「まさに東のもろきゅう、西のバーニャカウダよ」
婚活食堂と山口恵以子さんについて
『婚活食堂』
女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年5月現在、PHP文芸文庫から11巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。
PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら
※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。
料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所