〜和食料理人 野﨑洋光から学ぶ〜 紀文のおでん暦

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12月のおでん「海鮮おでん」

12月のおでん「海鮮おでん」

一年を締めくくる師走は、伊勢えびやほたてのような豪華な魚介類をいただく機会も増えるでしょう。今月の「海鮮おでん」は、到来物を上手に使用したおもてなしの料理です。産地から届いたばかりの極上の素材は、必要以上に手を加えずに素材がもつ旨味をそのまま味わいましょう。豪快に盛りつけ、繊細な味わいに舌鼓を打つ。疲れた胃に優しい大根とともに、ひとつの鍋を、家族や気が置けない友人たちと一緒に囲むひとときを楽しみましょう。

調理時間:20分 エネルギー/1人分:450kcal 塩分/1人分:4.4g

今月の旬の素材ほたて

旬のほたては、身が厚くたんぱく質が豊富なので、濃厚な旨味が特長です。
貝柱はもちろん、ひもの部分からもよいだしがでるので、冬場にはおでんや鍋ものにしていただきましょう。
沸騰した湯に入れると表面がすぐに固まってしまうので、水からゆっくりと加熱をして旨味成分をじっくり煮だすようにしましょう。

ほたて

材料(4人分)

焼ちくわ1パック
魚河岸あげ®プレーン1パック
伊勢えび2尾
ほたて4個
いか1ぱい
大根20cm
長ねぎ2本
葛きり適量
(A)
 水1000cc
 薄口しょうゆ40cc
 酒40cc
 昆布10×10cm

作り方

  • 1:伊勢えびは身を半分に切る。ほたては貝の口を開けて貝柱を取り出す。いかはワタを取り除き、輪切りにする。焼ちくわは長さの3等分に切る。
  • 2:大根は皮をむき、繊維に沿って幅1.5cm×長さ20cmくらいになるよう、ピーラーやスライサーを使って薄切りにする。長ねぎの白い部分は5cmの長さに切る。
  • 3:葛きりは水で戻しておく。
  • 4:鍋に湯を沸かし、1と2を沸騰した湯の中にサッと入れて30秒したらザルに取り水気を切る(霜降り)。魚河岸あげ®も同様にする。
  • 5:3と4をAに入れ、中火でひと煮たちさせる。具材に火が通ったら、薄く斜め切りにした長ねぎの青い部分を散らす。
スライサーで大根を切る

スライサーで大根を切る(作り方2参照)。切った大根はすぐに乾燥するため時間をおかずに調理しましょう。手を切らないように注意しましょう。

※霜降り:魚介類や肉などの下処理方法。表面が白くなる程度に熱湯に通したり、かけることにより、素材のくさみやぬめりを取り除くことができます。

野﨑洋光さん野﨑流和料理のこころ

〜魚介類を使い、見栄えのよい豪華なおでんを〜
  • 壱、極上の素材を豪快に盛りつけ、繊細な味わいに

    産地から直送された鮮度の良い到来物は、それだけで美味しいものです。素材がもつ味わいを活かすおでんだからこそ、魚介類や野菜には必ず「霜降り」を忘れずに。
    おもてなしをする料理としておでんを振る舞う時には、盛りつけそのものが華やかになるよう一工夫が必要です。伊勢えびの姿を残したダイナミックな盛りつけも演出になります。12月のおでんは、食材はもちろん盛りつける器にもこだわりながら、彩り豊かなおでんを楽しみましょう。

  • 弐、疲れた胃にも優しい大根。1本丸ごといただきます

    消化酵素がたっぷりと含まれている大根には、この時期の疲れた胃を休める役割もあります。ピーラーやスライサーを利用して薄く切った大根を使った今回のおでんは、あっという間に火が入るのが特長で、だしの旨味がからみやすくなります。

  • 参、旨味の秘密は、水からゆでた魚介類

    今回は、霜降りをした魚介類を冷たい調味液の中に入れて加熱しています。これまでは低い温度から魚介類を煮ると、旨味が逃げてしまうと考えられていましたが、そうではありません。霜降りをした材料であるなら、調味液を沸騰させなくても大丈夫。水と調味料と魚から出る旨味で、美味しいおでんに仕あがります。