一年を締めくくる師走は、伊勢えびやほたてのような豪華な魚介類をいただく機会も増えるでしょう。今月の「海鮮おでん」は、到来物を上手に使用したおもてなしの料理です。産地から届いたばかりの極上の素材は、必要以上に手を加えずに素材がもつ旨味をそのまま味わいましょう。豪快に盛りつけ、繊細な味わいに舌鼓を打つ。疲れた胃に優しい大根とともに、ひとつの鍋を、家族や気が置けない友人たちと一緒に囲むひとときを楽しみましょう。
旬のほたては、身が厚くたんぱく質が豊富なので、濃厚な旨味が特長です。
貝柱はもちろん、ひもの部分からもよいだしがでるので、冬場にはおでんや鍋ものにしていただきましょう。
沸騰した湯に入れると表面がすぐに固まってしまうので、水からゆっくりと加熱をして旨味成分をじっくり煮だすようにしましょう。
焼ちくわ | 1パック |
魚河岸あげ®プレーン | 1パック |
伊勢えび | 2尾 |
ほたて | 4個 |
いか | 1ぱい |
大根 | 20cm |
長ねぎ | 2本 |
葛きり | 適量 |
(A) | |
水 | 1000ml |
薄口しょうゆ | 40ml |
酒 | 40ml |
昆布 | 10×10cm |
※霜降り:魚介類や肉などの下処理方法。表面が白くなる程度に熱湯に通したり、かけることにより、素材のくさみやぬめりを取り除くことができます。
産地から直送された鮮度の良い到来物は、それだけで美味しいものです。素材がもつ味わいを活かすおでんだからこそ、魚介類や野菜には必ず「霜降り」を忘れずに。
おもてなしをする料理としておでんを振る舞う時には、盛りつけそのものが華やかになるよう一工夫が必要です。伊勢えびの姿を残したダイナミックな盛りつけも演出になります。12月のおでんは、食材はもちろん盛りつける器にもこだわりながら、彩り豊かなおでんを楽しみましょう。
消化酵素がたっぷりと含まれている大根には、この時期の疲れた胃を休める役割もあります。ピーラーやスライサーを利用して薄く切った大根を使った今回のおでんは、あっという間に火が入るのが特長で、だしの旨味がからみやすくなります。
今回は、霜降りをした魚介類を冷たい調味液の中に入れて加熱しています。これまでは低い温度から魚介類を煮ると、旨味が逃げてしまうと考えられていましたが、そうではありません。霜降りをした材料であるなら、調味液を沸騰させなくても大丈夫。水と調味料と魚から出る旨味で、美味しいおでんに仕あがります。