vol.4のおでん種 は「焼き豆腐」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。


今週のおでん種「焼き豆腐」


焼き豆腐

おでんの原型は豆腐田楽。これを江戸後期にしょうゆで煮込むようになり現在のおでんになった。家庭のおでんでは「絹ごし」より「木綿」の方がくずれにくいのでおすすめ。「焼き豆腐」はさらに扱いやすい。ほんのり香ばしく、おでんの汁を含むと熱燗にぴったり。


おでん種 「焼き豆腐」に合う肴
<鯛の昆布締め>


材料(2人分)

  • 鯛の冊(さく)・・・1枚(刺身なら2人前)
  • 昆布・・・鯛の冊(さく)の長さ×2
  • 酒・・・少々
  • 塩・・・少々

鯛の昆布締め

作り方

  1. キッチンペーパーに酒を含ませ、昆布の表面を拭く。
  2. 鯛に塩を振り、満遍なく馴染ませる。
  3. 昆布の上に鯛の冊(さく)を載せ(刺身なら冊状にくっつけて置く)、上から更に昆布をかぶせてラップで包む。
  4. 冷蔵庫で6~24時間寝かせたら、切って盛り付ける。
  • もっと簡単に作りたい人は、塩昆布(千切り)30gと鯛の刺身をポリ袋に入れて密閉し、室温で1~2時間置けば出来上がり。

ペアリング


「焼き豆腐」
「鯛の昆布締め」には
『酔右衛門』山廃純米 ・ぬる燗(川村酒造店)


鯛の昆布締め、おでん盛り、日本酒

おでん種:焼き豆腐・牛すじ・さつま揚


【作家コメント】『酔右衛門』山廃純米は、きれいな熟成がかかっていて刺身によく合う。熟成酒が苦手な人もお試しください。


『婚活食堂』作家 山口恵以子


このおかずが掲載している箇所 
『婚活食堂』第3巻


『婚活食堂』第3巻

『婚活食堂』第3巻


まいは何を選んで良いか迷っている様子だった。
「今日の一押しは鯛の昆布締めです。軽く締めていませんけど、お刺身とはひと味違うので、お試しにどうぞ」


婚活食堂と山口恵以子さんについて


『婚活食堂』

女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年5月現在、PHP文芸文庫から11巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。

PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら

※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。


山口恵以子(やまぐち・えいこ)

脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。


料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所


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