vol.3のおでん種 は「アスパラガス」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。


今週のおでん種「アスパラガス」


アスパラガス

アスパラガスには白色のものと緑色のものがある。おでんには3~4等分位に切ってつまようじに刺すと扱いやすい。その際アスパラガスを1本ずつベーコンで巻いてもおいしい。細めのものならば、生ちくわにゆでたアスパラガスを射込んで種ものにするのもおすすめ。


おでん種 「アスパラガス」に合う肴
<菜の花とハマグリのクリーム煮>


材料(2人分)

  • 菜の花・・・1束
  • ハマグリ(大)・・・4個
  • 生クリーム・・・1/4カップ
  • 薄口醤油・・・小匙2
  • 水溶き片栗粉・・・小匙1

    【A】
  • 日本酒・・・大匙1
  • バター・・・小匙2
  • 水・・・2/3カップ

菜の花とハマグリのクリーム煮

作り方

  1. 菜の花は半分の長さに切り、さっと茹でてざるに上げる。
  2. ハマグリは殻をこすり合わせて洗う。
  3. フライパンに【A】とハマグリを入れ、蓋をして2、3分煮る。
  4. ハマグリの殻が開いたら生クリームを入れ、薄口醤油で味を調え、水溶き片栗粉でとろみを付け、菜の花を加えて混ぜ、軽く温める。
  • クリーム煮は片栗粉でとろみを付けるので、簡単で失敗がありません。
  • 本文では、おでんの出汁で煮ていますが、ハマグリから出汁が出るので、敢えてこのレシピでは出汁は加えていません。ただし、ハマグリ以外の材料で作る場合は、水の代わりに出汁を使うのがお勧めです。


ペアリング


「アスパラガス」
「菜の花とハマグリのクリーム煮」には
スパークリングワイン『クレマン・ド・ロワール』


おでん種:アスパラガス・魚河岸あげ・結び白滝


【作家コメント】『クレマン・ド・ロワール』は、高級感のある複雑な味のスパークリングワイン。おしゃれな春を楽しんで。


『婚活食堂』作家 山口恵以子


このおかずが掲載している箇所
『婚活食堂』第8巻


『婚活食堂』第8巻

『婚活食堂』第8巻


菜の花とハマグリのクリーム煮もちょっと自慢だ。どちらも今年の初物で、レシピには、出汁で煮てバターと生クリームを加え、片栗粉でとろみを付けると書いてあった。それなら、おでんの汁で煮ればすぐ出来る。めぐみ食堂のおでんの汁は、昆布と鰹節と鶏ガラで取っているのだから、出汁の宝庫だ。


婚活食堂と山口恵以子さんについて


『婚活食堂』

女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年5月現在、PHP文芸文庫から11巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。

PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら

※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。


山口恵以子(やまぐち・えいこ)

脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。


料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所


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