vol.20のおでん種 は「つぶ貝」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。


今週のおでん種「つぶ貝」


つぶ貝

煮込みおでんとみそおでんの種ものとして東北で食されることが多かったが、最近では全国で散見されるように。エゾバイ科に属する市販品の通称名で、ヒメエゾボラ、エゾボラ、エゾボラモドキなどの種類が含まれる。家庭で用いる時は肉質部を煮た加工品が便利。


おでん種 「つぶ貝」に合う肴
<ゴボウのオイル煮>


材料(2人分)

  • ゴボウ (泥付き)・・・2本
  • 昆布・・・10cm角
  • オリーブオイル・・・適量

    【A】
  • 日本酒・・・200ml
  • 醬油・・・大匙3
  • みりん・・・200ml

ゴボウのオイル煮

作り方

  1. ゴボウは洗って水気を拭き、長さ12cmに切る。
  2. 鍋に深さ2cmまでオリーブオイルを入れ、160度まで熱したら(1)を入れ、15分から20分揚げ煮にする。
  3. 別の鍋に昆布と【A】を入れて火にかけ、沸騰したら(2)のゴボウを入れて、汁気がなくなるまで弱めの中火で炒り煮する。
  4. ゴボウを皿に盛り、(3)の昆布を5㎜幅の細切りにして上に載せる。
  • ゴボウ単体で、主菜並みの存在感があります。


ペアリング


「つぶ貝」
「ゴボウのオイル煮」には
『〆張鶴 純』・冷酒(宮尾酒造)


ゴボウのオイル煮、おでん盛り、日本酒

おでん種:つぶ貝・ロールキャベツ・つみれ


【作家コメント】『〆張鶴 純』は淡麗辛口の代表と言われるが、淡麗旨口と評したい酒。魚介や野菜の、素材を生かした料理と合わせたい。


『婚活食堂』作家 山口恵以子


このおかずが掲載している箇所 
『婚活食堂』第8巻


『婚活食堂』第8巻

『婚活食堂』第8巻


ゴボウのオイル煮は、オリーブオイルで15分から20分揚げたゴボウを、出汁と醤油で煮る。揚げてあるせいか、ゴボウ単体で主菜のような存在感があって、初めて食べた人はびっくりする。


婚活食堂と山口恵以子さんについて


『婚活食堂』

女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年11月現在、PHP文芸文庫から12巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。

PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら

※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。


山口恵以子(やまぐち・えいこ)

脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。


料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所


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