vol.10のおでん種は「玉子巻」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。


今週のおでん種「玉子巻」


玉子巻

ゆで玉子が丸ごと1個入ったさつま揚。全国的には「玉子巻」と呼ばれ、その形が爆弾に似ているから「バクダン」の別名も持つ。半分に切ると断面がきれいで、華やかな盛り付けを演出するのに欠かせない。長崎県では「竜眼(りゅうがん)」と呼ばれることも。


おでん種 「玉子巻」に合う肴
<ヤムウンセン風サラダ>


材料(2人分)

  • 春雨・・・25g
  • 剝きエビ・・・80g
  • 香菜 ・・・2株(約20g)

    【A】
  • スイートチリソース・・・大匙2
  • ナンプラー・レモン汁・・・各大匙1
  • 砂糖・・・小匙2 
  • ニンニク・赤唐辛子・・・各適量

    【B】
  • 紫玉ネギ・・・1/4個
  • セロリ・・・1/4本
  • プチトマト・・・4個

ヤムウンセン風サラダ

作り方

  1. 春雨を袋の表示の通りに茹で、茹で上がる1分前に剥きエビも加えて茹でる。
  2. ザルに上げて水気を切り、春雨は食べやすい大きさに切る。 
  3. ニンニクは擂り下ろし、赤唐辛子は種を取って輪切りにする。
  4. 紫玉ネギは薄切り、セロリは斜め薄切り、プチトマトは半分、香菜はざく切りにする。
  5. ボウルに【A】を入れて混ぜ、茹でた春雨と剥きエビ、【B】を加えて和える。
  6. 器に盛り、お好みで香菜の葉(分量外)を飾る。
  • ヤムウンセンはもう、日本でもすっかりお馴染みですね。暑い季節には特に美味しい、タイのピリ辛サラダです。


ペアリング


「玉子巻」
「ヤムウンセン風サラダ」には
特別純米酒『窓乃梅』・冷酒(窓乃梅酒造)


おでん種:玉子巻・はんぺん・ウインナー


【作家コメント】とろりとした甘さと表情豊かな酸味を持つ純米酒。後口に酸が利いているので、唐揚げ・南蛮漬けのような、油を使った甘辛・ピリ辛料理と相性が良い。


『婚活食堂』作家 山口恵以子


このおかずが掲載している箇所 
『婚活食堂』第9巻


『婚活食堂』第9巻

『婚活食堂』第9巻


ヤムウンセン風サラダは、剥きエビと春雨を茹でる他は、材料を切ってピリ辛味の調味料と合わせるだけでよい。めぐみ食堂で出すのは初めてだが、今やタイ料理は日本に浸透しているので、お客さんにも違和感はないはずだ。


婚活食堂と山口恵以子さんについて


『婚活食堂』

女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年5月現在、PHP文芸文庫から11巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。

PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら

※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。


山口恵以子(やまぐち・えいこ)

脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。


料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所



vol.5のおでん種 は「春菊」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。


今週のおでん種「春菊」


春菊

別名は菊菜。島根県松江市のおでん専門店で供される。西日本のうち関西では、中葉種で分枝がなく根もとから収穫するおでんにも適する種類が栽培されている。大阪市には春菊を澄んだおでん汁にくぐらせ、削った柚子の皮を散らして供するおでん専門店もある。


おでん種 「春菊」に合う肴
<明石焼き>


材料(30個分)

  • たこ焼き粉・・・50g
  • 卵・・・3個
  • 出汁(または水)・・・300cc
  • 茹でタコ・サラダ油・水・だしの素・日本酒・醬油・小ネギ・・・適量

明石焼き

作り方

  1. 茹でタコ(生は硬くなるので避ける)は、たこ焼きに入れやすい大きさに切る。
  2. たこ焼き粉と卵、出汁(だしの素を薄めに溶いた汁でOK)を混ぜ合わせ、タコを加えてタネを作る。
  3. たこ焼き器を加熱してサラダ油を敷き、タネを入れて焼く。たこ焼きに比べてタネが柔らかいので、ひっくり返すときに注意が必要。
  4. つけ汁を作る。水・だしの素・日本酒を鍋に入れて煮立て、アルコールを飛ばし、醤油(白醤油もOK)で味を調える。お好みで小ネギを小口切りにしてつけ汁に散らす。
  • 本来は、小麦粉に「じん粉」(小麦でんぶん)を混ぜたものを使います。じん粉を加えるとよりふんわりと仕上がります。


ペアリング


「春菊」
「明石焼き」には
特別純米『喜久醉』・冷酒(青島酒造)


明石焼き、おでん盛り、日本酒

おでん種:春菊・大根・ごぼう巻


【作家コメント】特別純米『喜久醉』は、角のないまろやかな甘さを中心にした、軽快な味わい。野菜や豆腐、蕎麦など、あっさりした料理を生かします。


『婚活食堂』作家 山口恵以子


このおかずが掲載している箇所 
『婚活食堂』第5巻


『婚活食堂』第5巻

『婚活食堂』第5巻


杏奈も豊も、説明を聞いただけで食欲を刺激されたらしい。
「私、カルパッチョとイチジクの揚げ出し。シメは明石焼きね」
「僕も!」
二人はレモンハイと生ビールで乾杯した。


婚活食堂と山口恵以子さんについて


『婚活食堂』

女将の恵が1人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年5月現在、PHP文芸文庫から11巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。

PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら

※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。


山口恵以子(やまぐち・えいこ)

脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。


料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所



vol.4のおでん種 は「焼き豆腐」。
さて、「めぐみ食堂」というおでん屋が舞台の小説『婚活食堂』の作者である山口恵以子さんは、めぐみ食堂のメニューからどの肴とお酒を合わせるのでしょうか。


今週のおでん種「焼き豆腐」


焼き豆腐

おでんの原型は豆腐田楽。これを江戸後期にしょうゆで煮込むようになり現在のおでんになった。家庭のおでんでは「絹ごし」より「木綿」の方がくずれにくいのでおすすめ。「焼き豆腐」はさらに扱いやすい。ほんのり香ばしく、おでんの汁を含むと熱燗にぴったり。


おでん種 「焼き豆腐」に合う肴
<鯛の昆布締め>


材料(2人分)

  • 鯛の冊(さく)・・・1枚(刺身なら2人前)
  • 昆布・・・鯛の冊(さく)の長さ×2
  • 酒・・・少々
  • 塩・・・少々

鯛の昆布締め

作り方

  1. キッチンペーパーに酒を含ませ、昆布の表面を拭く。
  2. 鯛に塩を振り、満遍なく馴染ませる。
  3. 昆布の上に鯛の冊(さく)を載せ(刺身なら冊状にくっつけて置く)、上から更に昆布をかぶせてラップで包む。
  4. 冷蔵庫で6~24時間寝かせたら、切って盛り付ける。
  • もっと簡単に作りたい人は、塩昆布(千切り)30gと鯛の刺身をポリ袋に入れて密閉し、室温で1~2時間置けば出来上がり。

ペアリング


「焼き豆腐」
「鯛の昆布締め」には
山廃純米 『酉与右衛門(酔右衛門)』・ぬる燗(川村酒造店)


鯛の昆布締め、おでん盛り、日本酒

おでん種:焼き豆腐・牛すじ・さつま揚


【作家コメント】山廃純米 『酉与右衛門(酔右衛門)』は、きれいな熟成がかかっていて刺身によく合う。熟成酒が苦手な人もお試しください。


『婚活食堂』作家 山口恵以子


このおかずが掲載している箇所 
『婚活食堂』第3巻


『婚活食堂』第3巻

『婚活食堂』第3巻


まいは何を選んで良いか迷っている様子だった。
「今日の一押しは鯛の昆布締めです。軽く締めていませんけど、お刺身とはひと味違うので、お試しにどうぞ」


婚活食堂と山口恵以子さんについて


『婚活食堂』

女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋、東京・四谷の「めぐみ食堂」を舞台とした連作短編集。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになって——。ときにほろ苦くも心あたたまるハートフルストーリー。2024年5月現在、PHP文芸文庫から11巻まで刊行中(シリーズ累計35万部)。

PHP研究所『婚活食堂』ページはこちら

※『食と酒シリーズ』(『婚活食堂』『食堂のおばちゃん』『ゆうれい居酒屋』)では100万部を超える。


山口恵以子(やまぐち・えいこ)

脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。近著に『めしのせ食堂: こころとお腹を満たす物語と「ご飯のおとも」』『ライト・スタッフ』『バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ』 などがある。


料理:田村有希、奥津真実/撮影:岩下秀徳/書籍装丁:大岡喜直(next door design)/書籍装画:pon-marsh/協力:PHP研究所


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